都心と郊外で犬の飼い方は違う!?高層マンションに住むワンコの苦労

タワマンに住みたい飼い主、愛犬はどう思っているのか聞いてみた!

インタビュアー |

昔は犬は庭で飼うっていうのがあたり前でしたけど、最近では小型犬に限らず室内飼いが多いみたいですね?

村谷親男(獣医師)|

そうですね、特に都心だと戸建てに住むという感覚自体があまりなくなってきていて、どんどんタワマンも増えていますからね。うちのクリニックにくる方も大半がタワマンです。

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タワマンって、高層階に住むと見晴らしはいいですけどエレベーターのアレが苦手なんですよね。耳抜きがうまくできないときがあって。犬は大丈夫なんでしょうか?

村谷親男(獣医師)|

基本的に犬にも、中耳内の気圧が外気圧と同じになる機能があります。つまり人と同じ“耳抜き”が必要なんです。唾や何かを飲み込ませる必要があるので、ちょっとしたおやつ(トリーツ)とかあげるといいですね。

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お庭で飼うのとは違って、高層マンションでの犬の飼い方って、実は色々注意点がありそうですね?機密性が高いことって影響しますか?

村谷親男(獣医師)|

機密性が高いということは、外からの音も聞こえにくいということです。とくに昼間、誰もいないマンションに飼われていると、動物たちは刺激もなく、ヒマを持て余します。そのため運動不足になってしまい、肥満の原因になることもあります。

タワマンならではの、愛犬の飼い方と注意点

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高層マンションで犬を飼う際に、気圧、気密、他にはどんなことが?

村谷親男(獣医師)|

まとめていうとしたら「お外との隔たり」ですね。

エレベーターに乗らなければ外に出られないというところから、お天気の悪い日はお散歩が面倒になったりすることがあります。ついつい、運動不足になってしまい、吠えることが増えて近所とのトラブルになったりすることがあります。なるべく外の空気を吸うべく、お散歩に出掛けて欲しいですね。

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僕の友人がこの前、愛犬のために自宅マンション(高層マンション)をリフォームしまして、元々入居したときは全室フローリングや大理石タイルなど硬い床だけだったそうです。

村谷親男(獣医師)|

そう、それも重要です。硬い床の上で普段の生活をしていると、特に関節の弱い犬種だと、関節痛になってしまいますし、滑って怪我もするし、いいことはありません。

必ずしも、飼い主が「住みたいところ」と、ワンちゃんが「住みやすいところ」はイコールではないんですね。でも、決してタワマンに住むなって話じゃないですよ(笑)

インタビュアー |

愛犬に必要なこと、愛犬の本音を知って、必要な環境を揃えてあげるってことですね。都心のタワマン(高層マンション)での犬の飼い方、まとめるとどんな感じですか?

村谷親男(獣医師)|

僕はポイントが3つあると思います。

ひとつはタワマンの静かな環境の中でお留守番するときは、環境映像を流してあげたり、ペットが工夫しないとおやつが出てこない玩具を与える、あるいはキャットタワーを設置してあげること。

ふたつ目に、一緒にいられるときは、カートに乗ってでもいいので、犬はお散歩に出掛けて外の空気を吸わせること、猫はお部屋で猫じゃらしなどのおもちゃを使って遊んであげるといいですね。

そして最後に、タワマンの床はフローリング素材でできていることがほとんどなので、ジョイントマットなどをうまく利用してほしいと思います。ジョイントマットだと、汚れた部分だけ交換できるので、とても便利です。

インタビュアー |

愛犬のための環境づくりですね。

一緒に暮らすには、飼う場所に合わせたワンちゃん目線での環境づくりと飼い方の工夫が必要ということですね!僕もさっそく友人たちへ伝えたいと思いました。

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銀座に近い、高層マンションに囲まれた東京月島にある当院では、外国人フレンドリーなどうぶつ病院を目指しています。外国人ペットオーナーのみなさまが、どんな小さなことでも気軽に相談できる場所となるために、今後もさまざまな取り組みを進めていきます。

当院WEBサイト https://www.anima-ah.com/

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